2009年12月25日金曜日

早朝に起きて思う事。

たまには、5時に起きてみました。

最近ちまたは早起きブームらしく、
これくらいの時間に起きる事は
それほど珍しいことではないらしいですが。

早く起きても、
なんだか何をやって良いか分からず
戸惑ってしまったので、
とりあえずブログを書いてみようと思いました。

最近の怒濤の1ヶ月は、
得たものも、失ったものもあり、
それなりにくたびれました。


くたびれると、ついつい
行きたくなる定食屋が近所にあります。


駅から1分の立地にありながら、
入り口の照明はチカチカ、今にも消えそうで
外観は決して綺麗ではない上に
磨りガラスで中の様子が伺えず、
入るのに躊躇してしまう
そんな寂れた定食屋です。


お店は、年老いたお婆さんと、
息子らしき中年男性で切り盛りしています。
料理は中年男性が担当し、
その他をお婆さんが担当しているといったところ。

大半が1人客で、
たまに若いカップル、
といっても、
こういうところにくるカップルは変わっていて、
バンドマンみたいな人たちが
やってきます。


そこには、なんとも緩やかな時間が流れていて、
一人一人が、いそぐことなくゆったりと食事をしています。


狭い店内で注目を集めるのはテレビ。
狭いからみんなの席からよく見えるテレビは、
手持ち無沙汰な一人客の視線を奪います。

前に行った時は
まさに日本シリーズの時期で、
お客さん達が、誰に言うでも無く、
プレーに対してボソボソコメントしていました。

普段あまり野球に興味の無い僕も
一緒になってボソボソ、というより、
「おー」とか「あー」とか言ってみました。

昔、タグボートが作った、
「オリンピックが無ければ平凡な一年でした」
というCMを思い出させるシーンです。


そんなテレビを一番食い入るように見ているのは、
お店のお婆さん。
昨日は、「花より男子」の映画を
どかっと席に腰を下ろして
じーっと見ていました。
キスシーンのところなんて、
微動足りせず、ホントじーっと見ていました。



ここの瓶ビールが一番美味しいかも。


と、思ったりします。



いろんなしがらみから開放されて、
争いもなければ、時代に合わせる焦りも無い。
そんな無欲な空間。
見返りをあまり求めない場所。
きっと、最低限の暮らしができればよいと
思っているんでしょう。




席にどかっと座っているお婆さんに
「すいません。ポークウィンナーください」
と、テレビを見るのを妨げて注文すると
「あ、すいません。すぐお持ちしますね」
と嫌な顔をせず、むしろ優しい笑顔で返してくれる。



実家のような場所。
母のような無償の愛を感じる場所。




ポークウィンナーを食べながら
瓶ビールをゆっくり飲む。

読みかけの小説を読む。

また、
1人客が寒そうな顔をして入ってくる。



つぶれなければいいなと、
心の中でつぶやいてしまいます。