
昨日、恵比寿ガーデンシネマで「トウキョウソナタ」を見ました。
東京に住む夫婦・息子2人のごく普通の4人家族の物語。
何気なく流れている日常の中で、
家族の各々が皆には言えない悩みを抱えています。
父親がリストラされた頃から家族の歯車が徐々に狂い始めてきます。
父親役の香川照之はリストラされたと家族に言えない中、
家庭での父親としての威厳を不器用に保とうとする役を
なんとも上手く演じています。
母親役の小泉今日子は
家族の中での自分の居場所が見えず、
存在意義を見失った繊細な役を実に自然体で演じています。
それ以外にもピアノの先生である井川遥、
小学生の役を演じている井之脇海くんなど
キャスティングが全て絶妙にハマっていて
気づくと感情移入してしまいます。
(役所広司の演技がやや過剰ですが・・・)
家族の全員がバラバラに暴走しだし、
崩壊しかけたときに
小学生の息子・健二が差す一筋の光。
ラストシーンは、
心の底から優しい気持ちになれます。
健二が奏でるドビュッシーの「月の光」は秀逸です。
実際に弾いているピアニストの高尾秦之介さんはナント13歳!!
母親のような包容力をもった音色をこの歳で奏でることができるとは、
まさに天才です。
仕事や人間関係が上手くいかず、
人生に嫌気が差した人はぜひご覧ください。
きっと小さな勇気が湧いてくることでしょう。
追記:
ちなみに、監督の黒沢清は、巨匠黒澤明とは全く無関係とのことです。
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